映画『望み』のキャスト、あらすじは? ネタバレに注意 小説もおすすめ。

2020年に10月9日に公開された映画『望み』。

原作は、『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』などで知られる雫井脩介さん、監督は、『人魚の眠る家』『十二人の死にたい子供たち』などの作品がある堤幸彦監督。脚本は『八日目の蝉』などを手がけられた奥寺佐渡子さん。そして、主題歌は、森山直太朗さんの『落日』です。

主演は、堤真一さん、石田ゆり子さんです。

超豪華なメンバーの映画で、新型コロナウイルスの時期の放映ではなかったら、もっと話題になっていたのでは、と思われる作品です。

今回は、映画『望み』について、そして、出演している俳優さんについて書きたいと思います。

映画『望み』のあらすじは?

一級建築士の石川一登(かずと)と、フリー校正者の妻の貴代美(きよみ)は、一登がデザインを手掛けた邸宅で、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。一方、高校受験を控えた雅は、一流校合格を目指し、毎日塾通いに励んでいた。

冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。

この映画の題材になっているのは、少年犯罪です。ある日、両親が、なかなか家に帰ってこない息子のことを心配していると、息子の同級生である少年が殺害されたというニュースが入ってきます。

その事件に関わっている人物は、被害者の少年以外に三人いる。その全てが少年だ。そのうちの二人は、事件の加害者で逃走中。残るもう一人は、事件の被害者であるという。

そして、自分たちの息子である規士(ただし)も、その事件に関わっているというのだ。

一家は、息子が少年犯罪の加害者、もしくは、被害者のどちらかであることを突きつけられるのだ。加害者であれば、息子は、同級生を殺したことになる、そして、被害者の場合は、息子も殺されているということなのだ。息子を信じ、無罪であって欲しいと願う父と、もしも加害者であっても、なんとか生きていて欲しいと願う母。兄のことも心配だが、自分のことも気になってしまい、どうしたらいいのかわからない妹。

大変重い内容の作品です。

私は、雫井脩介さんの原作の小説を読んでから、映画を観ました。

小説では、ミステリーの名手である雫井脩介さんの作品ということで、父、一登(かずと)と、母、貴代美(きよみ)の視点が交互になり、ストーリーを進めていきます。心理ミステリーという構成で、二人の心理状態が語られていきます。

小説を読みながら、「なんとか、加害者でもなく、被害者でもない、どちらでもない結末であって欲しい。規士(ただし)には、人を殺して欲しくはないし、殺されずに助かって欲しい。そんな都合のいい結末は、あり得ないのだろうけど、そうであったらな」と思ってしまうほど、この一家に感情移入していきました。一登と貴代美の心理描写が多いために、そう思ってしまったのではないかと思います。

映画では、さらに物語が凝縮されているため、被害者か加害者のどちらかしかないんだなと、余計に、思わされます。

一見、救いのなさそうな映画なのですが、この映画の中に貫かれているテーマとなる台詞があります。

「未来は変えられる。でも何もしなかったら、何も出来ない大人になる」

小説の中では、一登が規士(ただし)に説教をするシーンで出てくる長い台詞の一部でした。映画の中では、この台詞を一登が言った時、規士(ただし)は、少し反発しますが、規士(ただし)の心の中にずっと残る言葉になりました。

この台詞は、サッカーを諦めることになってしまった規士(ただし)に、将来への希望を抱かせる言葉でもあり、まっすぐで、正義感の強い規士(ただし)の性格を表し、また面と向かっては言えないけれど、実は、父親を尊敬しているという気持ちをも表している、この映画『望み』のキーとなる台詞でした。

ちなみに、映画『望み』も良かったですが、小説『望み』も大変、素晴らしかったです。映画を観て、まだ小説を読まれていない方、逆に小説は読んだけど、映画は、まだ観ていないという方、映画も小説も、どちらもおすすめしたい作品です。




『望み』の登場人物・キャストについて

主人公の石川一登(かずと)を演じるのは、堤真一さん。妻の貴代美役は、石田ゆり子さん。

今回も自分の息子が少年犯罪の被害者なのか、それとも加害者なのかという、究極の状況下に置かれる両親の役を見事に演じられていました。

石川一登(堤真一)一級建築士、建築デザイナー。

石川貴代美(石田ゆり子)一登の妻。自宅でフリーの校正の仕事をしている。

石川規士:ただし(岡田健史)一登と貴代美の息子。高校一年生。サッカー部に入っていたが退部。

石川雅:みやび(清原果耶)一登と貴代美の娘。中学三年生。教徳女学院高校を目指して受験勉強中。

宮崎(三浦貴大)リハビリを担当している。規士にリハビリの本を貸した。

野田弘美(沙織)今回の事件を担当する刑事

寺沼俊嗣(加藤雅也)弘美と共に今回の事件を担当する刑事

織田扶美子(市毛良枝)貴代美の母、

内藤重彦(松田翔太)週刊誌(週刊ジャパン)の記者

高山毅(竜雷太)高山建設の社長

花塚(渡辺哲)花塚塗装の社長。被害者の少年の祖父

飯塚杏奈(松風理咲)規士(ただし)の同級生でガールフレンド。

主演の堤真一さんと石田ゆり子さんだけではなく、周辺の出演陣も豪華ですよね。人気俳優さんやベテラン俳優さん、若手の俳優さんと、どの俳優さんも素晴らしい演技でした。

小説の中では、一登、もしくは、貴代美の視点から描かれるので、その他の登場人物は、この二人から観た描かれ方になるのですが、映像では、直接、その登場人物の演技から、心情がわかるところが面白いです。

特に、一登と貴代美の娘であり、規士(ただし)の妹の石川雅が、兄が事件に関わっていると、自分の将来にも影響してしまうことを吐露するシーンがあるのですが、このシーンの雅役の清原果耶さんの演技は、そのまま、雅の気持ちが一登や貴代美の介さずに入ってくるところが、臨場感を誘います。

また、喜代美に関わってくる週刊誌の記者である内藤は、小説の中でも、印象深い人物でしたが、映画の中での松田翔太さんの演技は、強烈な印象でした。

さらに、規士(ただし)のクラスメートであり、ガールフレンドの飯塚杏奈を演じた松風理咲さん。映画の中では、小説においては、中学時代の同級生役の友達が登場するシーンでも、この飯塚杏奈(松風理咲)の登場するシーンとなっていました。松風理咲さんを観たのは、この映画が初めてなのですが、目力の強い印象的な女優さんだなあと感じました。

大変、魅力的な出演者揃いでは、ありますが、中でも、気になるのが高一の息子・規士(ただし)を演じた岡田健史さんと、中三の娘・雅(みやび)を演じた清原果耶さんです。岡田健史さんと清原果耶さんと言えば、今、注目の若手俳優さんたちです。

それでは、その二人の経歴を見ていきたいと思います。




雅役の清原果耶さんは、朝ドラ女優。『おかえりモネ』ではヒロインに!

清原果耶(きよはら かや) 2002年1月30日生まれ

身長 162センチ 血液型 B型 大阪府出身

「アミューズオーディションフェス2014」グランプリを受賞し、連続テレビ小説「あさが来た」(NHK)で女優デビュー。

ドラマ「透明なゆりかご」(NHK)では、「東京ドラマアウォード2019」主演女優賞などの多数の賞を受賞。雑誌「Seventeen(セブンティーン)」の専属モデルとしても活躍している。

清原果耶さんを初めて観たのは、連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」でした。この時は、主人公、あさの家で働く、女中ふゆの役立ったのですが、なんとその時、まだ、13歳、14歳だったのです。初めての演技とは思えないぐらい、ドラマの中に溶け込んでおり、しっかりとした演技をされていたので、年齢を知って驚いたものです。

その後もNHKで放送された大河ファンタジー『精霊の守り人』で、主人公のバルサ役の綾瀬はるかさんの少女時代を演じたりと、数々の話題作に出演され、今、一番話題性のある女優さんの一人です。また、朝ドラは、「なつぞら」でヒロインの妹役を演じるなど、重要な役に抜擢されてきました。

そして、なんと、次回の朝ドラ、『おかえりモネ』では、ヒロインを演じられます。朝ドラ凱旋といったところでしょうか。過去にも有村架純さんや高畑充希さん、杉咲花さんなど、主人公の脇を固める役から、ヒロインに抜擢されて、大きな飛躍をされた女優さんたちは、たくさんいます。毎朝、清原果耶さんのフレッシュな演技が観られると思うと、今から楽しみでなりませんね。




規士役の岡田健史さんは、創成館高校の野球部出身、高校時代、甲子園を目指していた。

岡田健史(おかだ けんし) 1999年5月12日生まれ

身長 180センチ 血液型 0型 福岡県出身

好きな食べ物 ラーメン、肉
趣味 筋トレ、映画鑑賞、絵を描くこと、写真を撮ること、ジブリ作品鑑賞
特技 野球
主な出演作品 ドラマ「中学聖日記」、「青天を衝け」
映画「奥様は、取り扱い注意」など多数

岡田健史さんが『望み』の中で演じる規士(ただし)は、サッカー少年という役柄でした。実際にサッカーのシーンも映画の中に出てきます。実は、先輩に怪我をさせられてしまうというシーンなのですが、このサッカーをやっている岡田健史さんが、とてもかっこいいなと思いました。

実際には、野球をされていたんですね。そして、この岡田さんの野球の経歴がなんともすごい経歴で、なんと、阪神タイガースに所属する川原陸投手の野球部の先輩なんです。

川原陸投手というと、野球の強豪校、長崎の創成館高校の出身で、2018年に阪神タイガースからドラフト5位で指名されました。怪我の影響もあり、まだ、一軍登板はないのですが、期待の左腕投手なんです。

岡田健史さんは、高校時代に、捕手として、その川原陸投手とバッテリーを組んでいたというのだから、すごいですよね。

プロ野球選手と芸能人の親密な関係というと、埼玉西武ライオンズの松坂大輔投手と俳優の上地雄輔さんが有名ですね。最近では、済美高校出身のティモンディ高岸と、西条高校出身の阪神タイガースの秋山拓巳投手が高校時代に対戦経験があるということが話題になっていました。

ぜひ、テレビで、プロ野球のシーズンオフの期間に、岡田健史さんと、川原陸投手とのバッテリーを観てみたい気がします。

そして、岡田健史さんは、なんと大河ドラマ『青天を衝け』にも出演されるんです。役どころは、尾高平九郎です。主人公、渋沢栄一の妻となる千代の弟役なんですが、現時点は、可愛らしい子役俳優さんが、大人顔負けの台詞を言いながら、元気に走り回っているところです。平九郎が成長して、岡田健史さんとなって、登場するシーンが早くも楽しみです。




『望み』の原作者、雫井脩介さんについて

雫井脩介(しずくいしゅうすけ)1968年11月14日生まれ。

愛知県出身。専修大学文学部卒。

出版社、社会保険労務士事務所勤務を経て、1999年「栄光一途」で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞して、翌年、同作でデビュー。2004年『犯人に告ぐ』で第26回吉川英治新人賞の候補に。翌年、同作で第7回大藪春彦賞を受賞。『クローズド・ノート』『火の粉』「犯人に告ぐ』など著作多数。『望み』は、2016年第7回山田風太郎賞の候補となる。その他、映像化作品多数。

いや、もう雫井脩介さんの小説は、とにかく面白くて、それでいて、読みやすく、また、登場人物についつい感情移入してしまうんですよね。

ミステリー色の強い作品は、ハラハラドキドキ、臨場感たっぷりで、楽しませてくれるし、また、恋愛や家族を描いた優しい作品も『クローズ・ド・ノート』あたりから、出てきました。

私は、『銀色の絆』というフィギュアスケートを題材にした小説が好きです。この作品も映像化になったら、いいなと思うのですが、フィギュアスケートのシーンが難しいかもしれません。

望みの「ブルーレイ・DVD」のレンタル開始日、発売日はいつ?

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