大河ドラマ『青天を衝け』で、渋沢栄一の妻の渋沢千代。
橋本愛さんの演じる渋沢千代は、健気だけれど、芯のしっかりした女性。
大河ドラマ『青天を衝け』でも、応援したくなるような素敵な女性ですね。
そんな渋沢千代は、どんな女性で、どんな人生を送ったのでしょうか?
<#青天を衝け 登場人物紹介>
惇忠、長七郎の妹。栄一よりひとつ年下で、喜作も交えた三人は幼なじみとして育つ。控えめで口数は少ないが、心の芯はめっぽう強い。栄一と結婚してからは、多忙な栄一に代わって渋沢家を守り、内助の功を発揮する。 pic.twitter.com/Gx2fVwv88b
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渋沢千代(尾高千代)は、どんな人? 家系図は? 兄は尾高惇忠・長七郎、弟は、平九郎
渋沢(尾高)千代は、1841年生まれ。渋沢栄一よりも一歳年下です。
千代の読み方は、そのまま、「ちよ」です。大河ドラマ『青天を衝け』の中では、お千代と呼ばれていますね。
武蔵国樺沢郡下手計村の出身です。現在の埼玉県深谷市になります。
家系図を見ると、両親は、尾高勝五郎保孝と尾高やへです。大河ドラマ『青天を衝け』の中には、登場しませんが、「くに」と「みち」という姉がおり、千代は、三女ということになります。尾高惇忠と尾高長七郎は、兄、尾高平九郎(渋沢平九郎)は、弟になります。
ちなみに、母の尾高やへは、渋沢栄一のお父さんの渋沢市郎右衛門のお姉さん。というわけで、渋沢栄一と千代は、いとこ同士なんですよね。
二人が結婚したのは、安政5(1858)年の12月。折しも、世の中では、安政の大獄などがあった頃でした。
渋沢栄一が19歳、尾高千代が18歳の頃のこととなります。
結婚してから、千代は、苦労続きであったと思われます。というのも、渋沢栄一は、結婚したものの、文久元(1861)年に、江戸に遊学してしまいます。海保漁村の塾で学んだり、また北辰一刀流のお玉が池の千葉道場に入ったり、家には、いない時が多かったのです。
文久2(1861)年、栄一と千代の間に、待望の子供が生まれます。渋沢市太郎という長男です。
しかし、市太郎は、当時流行り病であった麻疹にかかり、わずか6ヶ月で亡くなってしまいます。千代にとって、どんなに辛いことであったでしょうか。
また、渋沢栄一は、千代の兄の尾高惇忠らと横浜焼き討ち計画(文久3(1863)年)を立てたりと、千代のもう一人の兄の尾高長七郎が計画をやめさせますが、とにかく、ハラハラさせられるような旦那様ではなかったのでしょうか。
同じ文久3(1863)年に、長女のうたが生まれます。実は、うたは、のちに穂積歌子という歌人になるんですよ。今は、まだ小さな子供で、とても、可愛らしいうたですが、その名の通り、歌を読むことになるのですね。
そして、渋沢栄一が、尊王攘夷を掲げて、渋沢喜作と京都へ出てしまいます。
夫、渋沢栄一は、平岡円四郎の推挙で、一橋家の家臣になります。尊王攘夷思想から、幕臣へと、千代は、驚かされることばかりだったでしょうね。
渋沢栄一とともに、千代も江戸で住むことになります。
渋沢栄一は、パリへ 見立て養子・平九郎の戦死
そして、もっと驚かされるニュースが千代の元に舞い込みます。なんと、夫、渋沢栄一が、ヨーロッパに行くことになるのです。これは、将軍、徳川慶喜の名代として、パリ万博に出席する徳川昭武に随行してのことでした。徳川昭武は、徳川慶喜の弟です。
こんな時代に、夫がヨーロッパに行くなんて、ものすごく驚いたことでしょうね。
徳川昭武とパリ万博については、こちらをどうぞ。
さらに、弟の尾高平九郎を見立て養子(この時代、日本から遠く離れた海外に行く幕臣は、もしも帰ってこられなかった時のことを想定し、自分の後継者指名をしていくのが習わしでした)とし、弟が自分の子供になるのです。
そして、渋沢栄一がパリに行っている間に、国内では、戊辰戦争が起こります。渋沢平九郎は、飯能戦争にて、戦死してしまいます。弟でもあり、形式上の子供でもあった平九郎の死は、あまりにも辛いことであったでしょう。
渋沢平九郎については、こちらをどうぞ。
渋沢栄一は、明治元(1868)年、パリから帰国します。
渋沢栄一がまず、駿府で働き始めたので、まずは、駿府で、そして、その後、民部省・大蔵省に取り立てられ、東京に住むことになります。
明治3(1870)年には、次女の渋沢琴子が誕生。世の中も落ち着いてきて、幸せいっぱいですね。
渋沢栄一と千代の子供は?
渋沢千代の子供達は、長男・市太郎、長女・歌子、次女・琴子、三女・糸子、長男・篤二と、男子が2人、女子が3人生まれました。
この中で、市太郎と糸子は、小さい頃に亡くなってしまうので、成長したのは、長女の歌子と次女の琴子、長男の篤二の3人になります。
まず、長女の歌子。うたと呼ばれていますね。小さい頃は、とてもかわいらしい女の子でしたが、成長し、美しく成長され、小野莉奈さんが演じられています。
🔵第34回より登場
<#青天を衝け 登場人物>
誕生直後に栄一が京へ出たため離れて暮らしたが、武士の娘として千代に厳しく育てられる。維新後は家族水入らずの生活が実現、栄一の転身に応じて静岡から東京へ引っ越し、女学校で学ぶ。 pic.twitter.com/ohpnTs36z4
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うたは、19歳の時に結婚。夫は、穂積 陳重(ほづみのぶしげ)という法学者の方です。穂積歌子という歌人になります。
次女の「琴子」は、現在、千代のお腹にいるお子さんですね。琴子は、東京市長になった阪谷芳郎という人と結婚します。
そして、千代にとっては、末っ子になる渋沢二。明治(1872)年の生まれです。市太郎が早くに亡くなっていることもあり、渋沢家には、待ちに待った男の子だったのでしょうね。
その渋沢篤二ですが、1911(明治44)年に、芸者とのスキャンダルが表面化して、廃嫡されてしまいます。まだ40歳ぐらいの頃のことでした。
篤二の長男の敬三が事業の後を継ぐことになります。篤二は、栄一が亡くなった翌年の昭和7(1932)年に亡くなります。
渋沢千代の死因は、コレラ 渋沢千代の墓は?
渋沢千代は何歳で亡くなったかというと、42歳です。明治15(1882)年7月に亡くなりました。死因は、コレラでした。
当時の寿命としては、どうだったのでしょうか。渋沢栄一が91歳まで生きたことを思うと、ずいぶん、短く感じてしまいましたね。
若い頃は、一緒にいる時間も少なかったのでしょう。もう少し、一緒にいさせてあげたかった気がします。
また、千代が亡くなった時、長女のうた(歌子)は、結婚したばかり。次男の篤二は、まだ9歳だったので、うたや琴子が篤二の面倒を見て、育てたそうです。
千代もうたの子供や篤二の成長を見届けたかったでしょうね。
折しも新型コロナウイルス の流行もあった年の放送ということで、コレラという流行り病で、千代が亡くなるシーンは、多くの視聴者の方の涙を誘ったと思います。漢字で書くと、「虎列剌」「虎烈刺」「虎列拉」などと書きます。
大河ドラマ『青天を衝け』の中では、千代の病室に通じるドアに「虎列剌アリ ハイルベカラズ」と書かれていましたね。
体調が悪くなる直前まで、千代は、苦手の牛乳を飲むシーンなど、和気藹々とした一家団欒のシーンがあったので、本当に、いきなり病に倒れたという感じでした。
コレラと言えば、TBSの人気ドラマ『JINー仁ー』で、大沢たかおさん演じる主人公の南方仁先生が、コレラから江戸の町を救おうとしたドラマが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。もし仁先生がいたら、助けてほしいと思ってしまいますよね。コロリと死ぬので、コロリとも呼ばれていました。幕末にも大流行したコレラですが、明治の世になっても、怖い病気であったのですね。
千代の墓は、谷中霊園の渋沢家墓所にあります。渋沢栄一の墓の向かって右側にあります。ちなみに渋沢栄一の墓の向かって左側は、後妻の兼子の墓になります。
尾高千代は、美人? 写真は?
尾高千代は、写真が残っています。
#青天を衝け
渋沢平九郎1867年7月12日
渋沢千代1882年7月14日尾高長七郎1867年12月31日
(肖像なし) pic.twitter.com/SPwBfYfUtC— 旅人かぱ@Invest (@tabibito_2017) September 12, 2021
写真からも凛とした心の強さみたいなのがうかがえる気がします。
42歳で亡くなっているので、千代の写真は、若い頃のものですね。目鼻立ちのスッキリしたきれいな人だなという印象です。
尾高千代役が美人女優の橋本愛さんだということもうなずけますね。
渋沢千代役は、橋本愛さん
そんな渋沢千代を演じるのは、女優の橋本愛さんです。
橋本愛さんは、1996年1月12日生まれの25歳です。
身長は、165センチ、血液型は、O型です。
熊本県出身で、ご両親は、お母様がスペインの方とのこと。とても美人な上に、可愛らしさもある女優さんですよね。
橋本愛さんの大河ドラマ出演は、今回がなんと3回目。1回目が『せごどん』で西郷隆盛の最初の妻の須賀を演じ、翌年に『いだてん〜東京オリムピック噺』と2年連続で大河ドラマ出演をされている女優さんです。
『せごどん』は、今回の大河ドラマ『青天を衝け』と時代がほぼ同じなのと、主人公の妻役という今回と被っている役柄でもあります。しかし、前回の『せごどん』では、笑わない嫁、そして、嫁いでから西郷家で不幸が相次いだことから、不吉な嫁というレッテルを貼られる役でした。にこりともせず、無表情という外見の裏には、西郷を思う優しさが隠れていたという切ない役でしたので、今度の『青天を衝け』では、笑顔が多いのが嬉しいですね。千代が笑っているとこちらまで幸せになる気がします。
橋本愛さんは、美しい女優さんなので、ツンとおすましした役も似合いますが、本当に笑顔が似合う女優さんだなあと改めて思いました。
また、NHKのドラマが好きな方は、『あまちゃん』の足立ユイちゃん役も記憶に残っているのではないでしょうか。アイドルを目指し、東京に行きたい!と思いながらも、なかなか地元から出られないユイちゃん。十代の女の子のキラキラ輝く姿を見事に演じていましたね。
主人公の天野アキ役のんちゃん(能年玲奈さん)とのコンビ、大好きでした。また二人で、共演して欲しいなあ、なんなら、『あまちゃん』のスピンオフが観たいなあと思っているファンの方はたくさんいらっしゃると思います。
これからの橋本愛さんの活躍が楽しみですね。