平岡円四郎の死因は暗殺、妻は、平岡やす 生涯は? 徳川慶喜の家臣 渋沢栄一との関係は? 大河ドラマ『青天を衝け』

大河ドラマ『青天を衝け』に登場する徳川慶喜の家臣、平岡円四郎。

渋沢栄一を一橋家に取り立てるなど、渋沢栄一や渋沢喜作にとっての恩人であり、大河ドラマ『青天を衝け』でも非常に重要な前半のキーパーソンとして描かれています。

そして、その渋沢栄一の恩人とも言える平岡円四郎の暗殺。

第十六回『恩人暗殺』の回は、あまりにも悲しいものでした。あまりにも早すぎる別れ。

主君、徳川慶喜の悲しみ、慟哭。家臣や家来、部下という関係を超えて、固い友情のような絆で結ばれていたのでしょうね。渋沢栄一が平岡円四郎の死の知らせを聞くのが、半月後というナレーションにも寂しさを感じました。

平岡円四郎の最後のセリフが「やす」というのも、妻のやすとの夫婦の絆、また、平岡円四郎の性格やその人となり、温かさを感じさせます。平岡円四郎ロスの方も多いと思います。ツイッターでも反響が多いですね。

今回は、渋沢栄一と平岡円四郎との関係、平岡円四郎、平岡円四郎の妻のやす、についてを書いていきたいと思います。

平岡円四郎ってどんな人?

平岡円四郎は、1822年(文政5年)生まれ。渋沢栄一よりも18歳年上になります。第三回の『栄一、仕事始め』で、江戸で、二人が初めて出会うシーンは、1853年だったので、その時点で、渋沢栄一は、13歳、平岡円四郎は、31歳ということになりますね。

平岡円四郎は、岡本忠次郎という旗本の息子で、そこから、旗本・平岡文次郎の養子になります。幕府の直轄の学問所である『昌平黌』(しょうへいこう)でも、優秀さを発揮していました。そして、その聡明さゆえに、徳川斉昭の腹心の学者、藤田東湖や勘定奉行の川路 聖謨(かわじとしあきら)からの推薦で、徳川慶喜の小姓となることになります。

その後、平岡円四郎は、13代将軍の徳川家定の後継の14代将軍に慶喜を就任させるために、奔走しますが、失敗に終わります。安政の大獄では、危険人物と見なされ、処分され、1859(安政6)年に甲府へと左遷されてしまいます。

1862(文久2)年、慶喜が将軍後継職に就任し、江戸に戻ることになります。翌年の文久3年(1863)年には、慶喜が京都に上洛するときに同行します。

 




平岡円四郎役は、堤真一さん

実は、堤真一さん、この大河ドラマ『青天を衝け』の出演で、大河ドラマ出演作品が7本目となるそうなんです。前回の出演作品は、2003年の『武蔵MUSASHI』の本位田又八(ほんいでんまたはち)役以来の出演になりますので、実に18年ぶりの大河ドラマ出演です。たくさん出演されているのに最近は、あまり出演されていなかったんですね。

7作品出演には、驚きましたが、18年ぶりというのも意外でした。ちなみに、最初に出演されたのは、あの『独眼竜政宗』。1987年の作品になります。そこから、翌年の『武田信玄』、そして、今回と同じく幕末が舞台の『翔ぶが如く』、『八代将軍吉宗』や『元禄繚乱』に出演されています。

ちなみに2018年の大河ドラマ『西郷どん』では、当初、主人公の西郷隆盛役のオファーが来ていたそうです。もしも、堤真一さんが西郷隆盛を演じられていたら、どんな大河ドラマになったんでしょうね。




平岡円四郎は、『西郷どん』にも登場していた。

平岡円四郎という名前をどこかで聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。そう、実は、3年前の大河ドラマ『西郷どん』に登場していたのです。その時、演じられていたのは、山田純大さん。

『西郷どん』では、ドラマ中盤での数回の登場だったのですが、癖があるけれど、どこか憎めない強烈なイメージを放っていた人物として記憶に新しいです。今まで、どことなく嫌味な人物として描かれることが多かった平岡円四郎。西郷どんでは、西郷隆盛という薩摩藩の側から描かれるので、そうなってしまうのかもしれません。

今回の『青天を衝け』では、渋沢栄一や徳川慶喜から見た「平岡円四郎」という描かれ方になるので、また新たな「平岡円四郎」像として、チャキチャキとした江戸っ子口調、何事にも「おかしれえ」と、常識を覆すようなものの見方ができる人物、朗らかで、懐の深い温かい人柄として、おおらかで、そして、妻のヤスには、ちょっと頭が上がらないなど、コミカルで人間味あふれた人物として描かれています。

歴史上の人物は、どの視点から見るのかでも、描かれ方が違うのが面白いですね。どちらも「平岡円四郎」という人なのかもしれません。

ちなみに平岡円四郎が、大河ドラマに登場するのは、『翔ぶが如く』『徳川慶喜』『西郷どん』に続き、今回の『青天を衝け』が4回目になります。意外とよく登場しているイメージですね。




平岡円四郎の妻、平岡やすについて 江戸っ子、性格は?

前回の平岡円四郎が登場した大河ドラマである『西郷どん』は、水戸藩が中心の話ではなく、主人公が西郷隆盛だったので、平岡円四郎に関しては、印象深く描かれていたものの、その家族や背景に関してまでは、出てきませんでした。

今回は、初めて栄一と江戸で出会うシーンから、木村佳乃さん演ずる妻の平岡やすさんが出てきます。この平岡やすさん、最初の登場シーンから、さっぱりとしたハキハキとした女性として描かれており、平岡円四郎は、やすさんに頭が上がらないんじゃないだろうか、かかあ天下みたいだなあという雰囲気がコミカルに描かれていました。

この平岡やすさんのプロフィールですが、吉原の売れっ子の芸者だったのですが、放蕩無頼な生活を送っていた平岡円四郎に見初められることで、スパッと、武士の妻に転身したカッコいい女性です。その後、時代の波に飲み込まれながらも奮闘していく、夫、平岡円四郎を支えていきます。

初登場シーンから、平岡円四郎を尻に敷く、平岡やすを演じる木村佳乃さんの魅力が伝わってきました。平岡やすは、きっぷのいい江戸っ子というキャラクターで、木村佳乃さんにぴったりの役だと思います。平岡やすは、長らくドラマでも登場し、渋沢栄一にも関わっていくようなので、平岡円四郎だけではなく、平岡やすからも目が離せませんね。

平岡やす役の木村佳乃さんは、『青天を衝け』の脚本家の大森美香さんとは、大森さんがデビューする前からのおつきあいで、25年くらいになるとか。

以前から、大森美香さんに「大森さんが脚本を書く時は、ドラマに出演させてね」とおっしゃっていたそうですが、売れっ子の木村佳乃さん、なかなかスケジュールが合わず、今回、念願叶って、大森美香さんの書かれるドラマに出演出来て、大変、嬉しかったそうです。しかも、平岡やすの役、めちゃくちゃ魅力的ですよね。平岡やすについては、資料が少ないそうで、大森美香さんが想像を広げて描かれているそうです。大森美香さんと木村佳乃さんの魅力がマッチした『平岡やす』がますます楽しみです。




渋沢栄一と平岡円四郎の関係は? 渋沢栄一と平岡円四郎の出会い 平岡円四郎の生涯は?

では、大河ドラマ『青天を衝け』の主人公、渋沢栄一と、この平岡円四郎は、どう関係があるのでしょう。

実は、渋沢栄一は、若き頃は、尊王攘夷運動に傾倒していました。そして、栄一は、仲間たちと高崎城を乗っ取って、横浜外国人居留地を焼き討ちにして、幕府を倒すという計画を立てていたのです。その計画は、栄一のいとこの尾高長七郎によって、反対され、中止します。

幕府に追われることを恐れて、京都へと逃げ延びようとした栄一。その時に、京都にいた平岡円四郎を頼って、平岡の推挙により、一橋家の家臣になるのです。

まさに平岡円四郎との出会いは、渋沢栄一の人生を大きく変えました。渋沢栄一のその後の功績を見ても、そのきっかけを作った平岡円四郎は、日本の将来に、少なからず影響を与えた人物といっても過言ではないかもしれませんね。

そんな大河ドラマ『青天を衝け』を盛り上げてくれた平岡円四郎ですが、残念ながら、元治元年(1864年)に、京都にて、仲間である水戸藩士の林忠五郎、江幡広光らによって、暗殺されてしまいます。

この頃、京都では、「池田屋事件」が起こっていました。新選組が肥後勤王党の宮部鼎蔵をはじめとする攘夷派志士を「池田屋」で捕縛、殺害したのです。このことを命じたのが慶喜ではないかという噂が流れ、平岡円四郎が慶喜をそそのかしているのではないかと、水戸藩の過激な攘夷派たちは、考えたのです。

暗殺された時、平岡円四郎は、43歳でした。

ドラマの中でも、大変、人気があった平岡円四郎。あと、もう少しで、平岡円四郎に会えなくなるのは、残念でなりません。大河ドラマ『青天を衝け』。少しも目が離せませんね。




平岡準(平岡準蔵)と平岡円四郎の関係は? 他人?

明治の世になり、渋沢栄一が駿府で励みはじめた頃、平岡準と仕事をする事になります。

平岡円四郎と同じ、平岡という名前ですが、平岡円四郎と平岡潤の間に特に関係性はないようです。

平岡準は、明治になってからも徳川家に仕えて、勘定頭を努めました。

明治2(1869)年に渋沢栄一を勘定組頭として、商法会所を設立します。商法会所は、日本で初めての株式会社です。

平岡円四郎は、もちろんのことですが、平岡準もまた、渋沢栄一の人生のターニングポイントで現れた人物だったようですね。

渋沢栄一は、平岡姓には、縁があるようですね。




平岡円四郎と三島由紀夫の関係は? 平岡公威の高祖父の永井尚志とは?

平岡姓で有名な人物に平岡公威(ひらおか きみたけ)がいますよね。平岡公威とは、あの三島由紀夫の本名です。

『仮面の告白』、『金閣寺』など、多くの代表作があり、戦後を代表する昭和の大作家である三島由紀夫ですが、実は、『青天を衝け』に出てくる人物の中で、平岡公威こと三島由紀夫と関わりのある人物がいたのです。

それが永井尚志(ながいなおゆき)です。

あれ? 永井尚志って名前、見覚えあるって思いませんか? 登場しますよね! 大河ドラマ『青天を衝け』に!!

実は、この永井尚志、三島由紀夫の父方の高祖父に当たるんですよね。
三島家の家系図を江戸時代まで遡れば、永井尚志が出てくるのです。

永井尚志は、江戸幕府で海防掛に就いていました。徳川斉昭に振り回されることもありましたが、その後、慶喜を補佐していきます。

『青天を衝け』での永井尚志役は、中村靖日さんです。

永井尚志という人物は、2004年の大河ドラマ『新選組!』でも登場しており、こちらは、佐藤B作さんが演じられている、大変、重要な役どころでした。思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか。ちなみに、佐藤B作さん、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演されますよ。

幕末の歴史上の人物が思わぬところで、別の有名な人物とつながっていたりするというのは、面白いものですね。




平岡円四郎の本・小説は? 司馬遼太郎・童門冬二の作品

あと少しで、大河ドラマ『青天を衝け』で、お別れになってしまう平岡円四郎ですが、また会いたいなと思いますよね。平岡円四郎が出てくる小説には、山岡荘八『徳川慶喜』、童門冬二『真説 徳川慶喜』、司馬遼太郎『最後の将軍』があります。

司馬遼太郎『最後の将軍』は、NHK大河ドラマ『徳川慶喜』の原作にもなった作品として有名ですね。

作品によっても平岡円四郎の描かれ方が違うと思うので、読み比べてみるのも面白いかもしれません。

また、童門冬二さんは、『幕末に散った男たちの行動学』(PHP文庫)の中で、「暗殺の季節に 一橋慶喜側用人 平岡円四郎」の章で、平岡円四郎についてを書かれています。こちらは、平岡円四郎について、かなり詳しく書かれています。また、『青天を衝け』にも登場する原市之進や徳川家茂など、幕末に活躍した六名の人物が描かれており、かなり読み応えのある一冊になっています。




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