皆さんは、星占いは、お好きですか?
毎朝のテレビの情報番組の星座占いとか、信号待ちのビルの電光掲示板など、巷には、星占いが、ふとした日常の空間に現れますよね。
そして、自分の星座は、何位?なんていうランキングや、今日の運勢とか、つい観ちゃいますよね。
最近は、雑誌やネットを観ていても「風の時代」とか、「水瓶座の時代」、はたまた「水星の逆行」なんていう、ちょっと専門的なことが書かれていたりして、実は、よくわからない時がある、なんてことはないですか?
本日は、小説を読みながら、西洋占星術も詳しくなれちゃう、そんな小説をご紹介します。
望月麻衣さんの『満月珈琲店の星詠み』です。
望月麻衣さんの『満月珈琲店の星詠み』について
『満月珈琲店の星詠み』シリーズは、現在、全2巻。
第1巻の『満月珈琲店の星詠み』は、2020年7月に文春文庫から、出版されました。
西洋占星術をモチーフにした小説は、世の中には、いろいろあるけれど、たいていが、牡羊座とか、牡牛座とか、一般的な12星座をモチーフにした物語が多いと思います。
そんな中、こちらの『満月珈琲店の星詠み』は、作者の望月麻衣さんが、かなり西洋占星術の知識に詳しいこともあり、奥の深い内容になっています。
『満月珈琲店の星詠み』の中でも、主人公の出生図であるホロスコープの読み方や、「水瓶座の時代について」、また「惑星の年齢域」、さらには、「水星逆行」について、小説を読むだけで、西洋占星術の勉強もできちゃうというかなりお得な内容になっているんですよ。
(惑星の年齢域とは、何かと言うと、西洋占星術では、惑星の表す年齢域というものがあり、月は、7歳ぐらいまで、水星は、7〜15歳、金星は、15〜25歳、太陽は、25〜35歳、火星は、35〜45歳、木星は、45〜55歳、土星は、55〜70歳といったように、それぞれの惑星が示す年齢というものがあります)
ここまで西洋占星術をモチーフにした小説は、あまりないんじゃないかなあと思います。
そんな『満月珈琲店の星詠み』は、短編連作になっています。
第1章のタイトルは、『水瓶座のトライフル』
舞台は、京都。かつては、ゴールデンのドラマのシナリオも手がけていた芹川瑞稀が主人公。瑞稀は、小学校の先生とシナリオライターと、どちらの職を選ぶかという時に、シナリオライターを選びました。ゴールデンタイムのドラマを手がけるような人気シナリオライターに。しかし、30代半ば頃から、ドラマの視聴率が取れず、今では、別名で、ソーシャルネットゲームのシナリオの仕事をしています。それも、主人公メインの王道シナリオではなく、脇役パートのシナリオの担当です。そんな瑞稀は、かつて、ドラマのディレクターだった中山明里に会います。
そして、悩んでいる主人公の目の前に現れるのがトレーラーカフェ『満月珈琲店』です。エプロンをつけた大きな大きな三毛猫のマスター。ほっこりとして、温かなストーリーと、悩んでいる人もちょっぴり元気をもらえるようなハートフルな物語です。そして、カフェで出されるメニューが本当に素敵なんです。
【満月珈琲店の人気メニュー④】最後にご紹介するのはシリーズを通して反響が大きかった十二星座を食べ物にしたメニューです。どうぞごゆっくりお楽しみください✨😌#満月珈琲店 pic.twitter.com/f8UXblz3GT
— 桜田千尋🌖7月20日満月珈琲店画集発売! (@ChihiroSAKURADA) July 6, 2021
第2章『満月アイスのフォンダンショコラ』では、今度は、ディレクター 中山明里が主人公。明里もまた、「満月珈琲店」へ訪れることになります。
第3章は、『水星逆行の再会』は、前編と後編に分かれており、前編のタイトルは、『水星のクリームソーダ』、後編のタイトルは、『月光と金星のシャンパンフロート』です。
西洋占星術がテーマなので、主人公は、女子高生とかかな?と思ったら、主人公たちは、30代や40代の女性たち、また男性の視点から描かれる章もあります。
読んでいると、自分も「満月珈琲店」を訪れているような、そんな気分になる、ちょっとした大人の童話みたいな物語。
本当に「満月珈琲店」に行ってみたくなりますね。
そして、続編にあたる『満月珈琲店の星詠み〜本当の願いごと〜』も2021年2月9日に文春文庫から発売されています。文庫本なので、手に取りやすいし、ぜひ、2巻目もオススメです。
望月麻衣さんの作品・プロフィール
望月麻衣さんは、北海道出身で、現在は、京都在住の小説家の方です。
2013年に『E★エブリスタ』が主催する電子書籍大賞を受賞して、デビューされました。
2016年には、『京都寺町三条のホームズ』で第4回京都本大賞を受賞されています。
秋月壱葉さんが作画で、コミカライズもされ、2018年の夏には、アニメ化もされている大人気作品の作者の方です。
京都の様子が生き生きと描かれているので、最初は、望月麻衣さんを「京都生まれ京都育ち」の方なのかと思ってしまったぐらいです。
代表作は、何と言っても、まずは、『京都寺町三条のホームズ』です。『京都寺町三条ホームズ』は、シリーズ累計160万部を突破して、たくさんの人々から支持されている大人気の作品です。
望月麻衣さんは、たくさんのシリーズを手がけられていて、『わが家は祇園の拝み屋さん』、『享楽の森のアリス』『太秦荘ダイアリー』『京都烏丸御池のお祓い本舗』などがあります。
ご自身が京都という町を愛されているのが伝わってきて、また、誰でもウエルカムという世界観を作り出していて、とても読みやすい小説です。
そして、2021年8月5日には、望月麻衣さんの新刊『京都寺町三条ホームズ』の17巻が発売されますよ。とても楽しみですね!
カバーイラスト、タイトルも入って完成形ですー!😆✨
たまりませんっっ!#京都寺町三条のホームズ
早くも17巻!
8/5から発売です。
よろしくお願いいたします✨©︎ヤマウチシズ先生 pic.twitter.com/IoIoFqPfD9
— 望月麻衣@京都ホームズ⑰8/5発売 (@maimotiduki) July 6, 2021
桜田千尋さんの絵本『満月珈琲店』イラストが素敵 『満月珈琲店メニューブック』も発売
小説『満月珈琲店の星詠み』のイラストを担当されているのは、桜田千尋さん。兵庫県三田市出身の1987年生まれのイラストレーターの方です。
実は、桜田千尋さんがSNSで『満月珈琲店』のイラストを描かれていたのを観た望月麻衣さんが、「占星術の話を書くなら、桜田千尋さんのイラストがいいな」と思われたのが、お二人のコラボの始まりだったそうです。
小説に続き、桜田千尋さんのイラスト、望月麻衣さんの文章で、イラスト集『満月珈琲店』(KADOKAWA)の単行本が出版されました。
表紙は、『満月バターのホットケーキ』。
物語のモチーフになるお菓子も『三日月のクロワッサン』『新月のスコーン』『半月のワッフル』と、とても可愛いイラストです。
桜田千尋さんの絵がとても素敵で、望月麻衣さんの文章とともに、幻想的で美しい絵本の世界へと誘われます。
美しいイラストを眺めるたびに、心が癒される、ずっと手元に置いておきたい本です。
さらに、2021年7月20日には、桜田千尋さんのイラスト集『満月珈琲店メニューブック』が発売されるそうで、今からとても楽しみです!!
満月珈琲店のイラスト集ですが、ご予約をオススメしております。初版の刷り部数がそこまで多くないこともありそもそも入荷しない書店さんもありますので、お手数ではあるのですが購入を検討されてる方は予約していただくのが確実です!#満月珈琲店 pic.twitter.com/zaVOMQXw4Y
— 桜田千尋🌖7月20日満月珈琲店画集発売! (@ChihiroSAKURADA) July 8, 2021
また桜田千尋さんの満月珈琲店OnLine Storeでは、満月珈琲店のイラスト集をはじめとしたグッズも販売されていますよ。
占星術がテーマの小説 角田光代さん『12星座の恋物語』
西洋占星術がテーマの小説といったら、何と言っても、まず思い出すのは、島田荘司さんの『占星術殺人事件』だと思います。こちらは、島田荘司さんのデビュー作でもあり、日本ミステリー史を代表する作品ですが、今回、ご紹介するのは、もう少しソフトな女子向けの、恋愛や仕事など、普段の生活をモチーフにしたものです。
角田光代さんの『12星座の恋物語』です。あの鏡リュウジさんが監修をされている小説集で、牡羊座から魚座までの12星座のそれぞれのボーイとガールの話の短編集になっています。
こちらは、西洋占星術に詳しくなくても、自分の星座って、どんな風に描かれているの? とサクッと、自分の星座や、知りたい人の星座のことだけでも読めるという、手に取りやすいつくりになっています。
自分の星座のところを見て、「あるある」と頷いたり、身近な人の星座を見て、「なるほど」と分析したり、物語を通じて、占星術のことがわかるのは、本当にいいですね。
日向章一郎さんの星座シリーズ
コバルト世代なら、いつも楽しみにしておられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
大人気 放課後シリーズの作者、日向章一郎さんの星座シリーズです。
イラストは、あのみずき健さん!
とても可愛いイラストだったので、ジャケ買いで買った方もおられたのではないでしょうか?
女子高生、大野ノリミと麦倉ナオト先生の探偵コンビが占星術を駆使して、事件に立ち向かうというストーリー。学園もののユーモアミステリーというちょっとポップなタイプの小説でした。
『牡羊座は教室使い』という麦倉先生のおひつじ座から、魚座までの12星座まで、星座ごとに1巻ずつ発売されていました。でも、星座順という並びでは、なかったので、新刊が出るのが楽しみだった覚えがあります。
またこの黄道12星座だけではなく、一時期、話題になった『へびつかい座』がテーマの巻もあったり、地の星座や火の星座と、第2シリーズになると、ちょっと踏み込んだテーマになっているところも面白いですよね。
事件の内容も面白く、主人公、ノリミと麦倉先生の恋の行方も気になったりして、また読み返したくなる名作です。
今では、手に入りにくい作品も多く、ブックオフやネットで見つけたら、即買いですね!
コメント