安藤信正は、坂下門外の変で暗殺未遂、後に失脚 『青天を衝け』で演じたのは、岩瀬亮さん

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大河ドラマ『青天を衝け』。第10回では、『栄一、志士になる』が放送されました。

今まで、血洗島から、世の中の流れを観ていた渋沢栄一が志士を志すことによって、いよいよ歴史の荒波の中に入っていきます。これから、前半部分の佳境へと入っていく前夜祭のような回でしたね。

そして、第10回の放送では、老中・安藤信正が襲われるという『坂下門外の変』が起こりました。歴史上では、井伊直弼が暗殺された『桜田門外の変』の方が有名なわけですが、今回の『坂下門外の変』では、実際に襲撃には、加わらなかったとはいえ、幼馴染で従兄弟の尾高長七郎が絡んでいたこともあり、渋沢栄一自身にとっても、大きな出来事だったのではないでしょうか。

では、今回は、その『坂下門外の変』で暗殺されそうになった老中・安藤信正について、書いていきたいと思います。

安藤信正ってどんな人? 公武合体、坂下門外の変で暗殺未遂、のちに失脚?

安藤信正は、文政2(1819)年 11月25日に磐城平(いわきだいら)藩主の安藤信由の嫡男として、磐城平藩の江戸藩邸で生まれます。磐城平藩って、どの辺りにあるんだろう?と、西日本の方は、思われるかもしれません。現在の福島県に当たりますね。戊辰戦争にも登場する重要な土地であったようです。

さて、その安藤信正は、主人公の1840年生まれの栄一からすると二十歳以上、年上です。ちなみに桜田門外の変で暗殺された井伊直弼が1815年生まれなので、井伊直弼と、ほぼ同世代、少し年下といったところでしょうか。

安藤信正は、1858年、井伊直弼のもとで、若年寄を経て、1860年に老中となります。このすぐ後に、井伊直弼が桜田門外の変で暗殺されたため、安藤信正は、その後、事態を収めるのが、大変だったようですね。井伊直弼に罷免されていた久世広周を老中に再任させ、共に、政策を進めていきます。

信正が掲げたのは、公武合体。孝明天皇の妹の和宮を徳川家茂に降嫁させるという政策ですね。

大河ドラマ『青天を衝け』の中では、この和宮降嫁のシーンが描かれていました。

和宮が中山道を通るということで、埼玉県の深谷宿では、渋沢栄一たちが駆り出されて、その準備をさせられていました。またドラマの最後の「紀行」でも、東海道と中山道の分岐点となる滋賀県の草津宿で、和宮一行が立ち寄った資料が展示されているのが紹介されていましたね。電車も新幹線も車もバスもない時代に、京都から江戸へ行くのは、日数がかかって、大変ですが、その道中にある宿場も、迎え入れる準備が相当、大変だったことを思わされます。

そして、何と言っても、安藤信正に間することで、有名なのは、『坂下門外の変』で、暗殺されそうになったこと。大河ドラマ『青天を衝け』の中でも、「背中を負傷しただけ」のように言われていましたが、その直後、なんと、イギリス公使に、包帯をしたままの格好で、会見したらしいのです。この時のイギリス公使のオールコックは、その負傷しながらも仕事を全うする安藤信正を見て、「おおーっ」と感嘆したそうでありますが、一部の幕閣から、「背中に傷を受けるなんて!」「武士の風上にも置けぬわ!」みたいに、言われてしまうという武士たるものという、侍スピリットでしょうか。なんとも気の毒な気がするのではありますが、この他にも女性問題やアメリカのハリスさんとの収賄問題などがささやかれて、老中を失脚したそうです。いつの時代も、金と女の噂には、気をつけろという感じなんですかね。

また、磐城平藩・最後の藩主である甥の安藤信勇がまだ若かったため、政治の実権を掌握したり、戊辰戦争で、新政府軍と戦ったりと、維新期には、地元で活躍しています。




安藤信正を演じた岩瀬亮さんのプロフィールは?

この安藤信正ですが、大河ドラマへの登場回数は、『篤姫』と今回の『青天を衝け』では、2回しかないのです。幕末の重要人物とすると、意外と少ないですね。

さて、今回、この安藤信正を演じられたのが、岩瀬亮さんです。では、岩瀬亮さんのプロフィールを見ていきましょう。

生年月日:1980年11月10日 さそり座

出身地:茨城県

身長:173センチ

趣味:写真

特技:サッカー

2005年、
大学卒業後、ポツドール、ハイバイ、サンプル等の舞台に出演

デビュー作 SEX GANG CHILDREN (舞台)

代表作品

2009年 イエローキッド (映画)

2009年 愛の渦 (舞台) ポツドール公演

2011年 江 (NHKテレビ)

2012年 スープカレー (TBSテレビ)

主な出演作品

【テレビ】
家政夫のミタゾノ 宮本から君へ 深夜食堂

【映画】
緊急事態宣言/MAYDAY 窮鼠はチーズの夢を見る シスターフッド ひと夏のファンタジア

【舞台】
渦が森団地の眠れない子たち 月刊「根本宗子」第16号 て 悲しみよ、消えないでくれ

【CM】
コカ・コーラ ニチバン

数々の映画やドラマや舞台に出演されている俳優さんです。

また、『恋はつづくよどこまでも』では、第8回の放送で、弁護士役として、登場されているようです。話題作や人気作にも、たくさん出演されているので、「あ、あの時の」と思われた方も多いのではないでしょうか? また、過去のドラマで、岩瀬亮さんの出演シーンを探してみるのも面白そうですよね。

そして、大河ドラマの出演は、『天地人』、『江〜姫たちの戦国〜』に続いての3回目。ちなみに『江〜姫たちの戦国〜』では、北条氏直役を演じられていました。北条氏直という武将は、若くして亡くなった、戦国の中でも悲しい儚いイメージがあります。

岩瀬亮さんは、現在、40歳になられるんですね。安藤信正が老中として、活躍したのが40歳前後になりますから、年齢的にもドンピシャな配役ですね。強硬路線をどんどん突き進んでいった井伊直政とは、対照的に、穏健な政策のイメージがある安藤信正。聡明で、物静かそうなんだけど、中身はやり手みたいなイメージで、とてもいい配役だったんじゃないかなあと思います。これからの岩瀬亮さんの出演作が楽しみです。

ちなみに、安藤信正は、2008年の『篤姫』では、白井晃さんが演じられていました。白井晃さんといえば、テレビや舞台、映画でもお馴染みの俳優さんですね。特に三谷幸喜さんの作品では、常連だと思います。

白井晃さんは、大河ドラマにも二度登場されているのですが、私は、『新選組!』の清河八郎役が印象に残っています。今回の『青天を衝け』と同じ時代ということで、思い出してしまいますね。




坂下門外の変について 計画に加わるはずだった尾高長七郎

渋沢栄一にとっては、世の中の動きのひとつであった『桜田門外の変』とは違い、この『坂下門外の変』は、かなり身近な出来事に感じられたことでしょう。

『坂下門外の変』は、大橋訥庵らの宇都宮藩士、そして、水戸の藩士らによる老中・安藤信正の襲撃計画です。文久2(1862)年に、坂下門外で、安藤信正の一行を襲った事件です。

大橋訥庵は、安藤信正の公武合体に強硬に反対していました。安藤信正を襲撃することと、そして、討幕を企てていきます。

大橋訥庵は、大河ドラマ『青天を衝け』の中でも、山崎銀之丞さんが演じられていて、このドラマの中でも主要な役割の人物として、早い回から、登場していますよね。日本橋で『思誠塾』を開いており、渋沢栄一の従兄である尾高長七郎(演・満島真之介さん)にも影響を与えていますよね。

坂下門外の変、攘夷の挙兵の計画に、長七郎を誘いますが、兄である尾高惇忠に「安藤一人を殺したところで、世の中は何も変わらない」と諌められたことにより、離脱します。従兄が襲撃に加わるなどという、これは、栄一にとっても、かなり身近な出来事でありましたね。

「安藤を動かしているのも、井伊を動かしていたのも、結局は幕府だ。幕吏が何人死のうが入れ替わろうが、何も変わらねぇ。武士は武士、百姓は百姓と決めちまっている幕府があるかぎり、中身は何も変わらねぇんだ」

大河ドラマ『青天を衝け』の中での渋沢栄一のセリフです。これを聞いて、現代に通じるものがあると思いました。

『青天を衝け』では、渋沢栄一が毎回、ドラマの山場で、自分の意見を述べて、バッとその場を『斬る!』というシーンがありますよね。時にスカッとさせられたり、感心させられたり、同じく悔しい思いにさせられたりと、まさに、毎回のドラマタイトル『栄一〜」に、というように、栄一のキャラ立ち、その時の事件が上手くリンクされている構成、本当にお見事だと思います。

ちなみに次回、『横浜焼き討ち計画』では、初めて、「栄一」という名前がタイトルから、外れます。これは、単に文字数の関係なのでしょうか? それとも今まで、ちょっと歴史の傍観者であった栄一が、志士となり、歴史に絡んでいくからなのでしょうか? いずれにしても、第11回『横浜焼き討ち計画』は、かなり重要な回になることは、間違いありません。第10回の放送が終わったばかりなのに、早くも次回が気になって、仕方がないですね。

第10回の最後に、江戸に行ったかもしれないという長七郎のことも心配です。




安藤信正の子孫は、日本画家。

安藤信正の子孫は、日本画家の長野草風(ながのそうふう)さんです。

安藤信正の孫にあたる人物になり、母方の親戚である長野家の養子になります。

昭和から明治初期にかけて活躍され、風景画や動物画を独自の画風を展開されました。

代表作に『 高秋霽月 』などがあります。

政治家に有名な子孫の方がいらっしゃるのだろうと思ったのですが、芸術の分野で活躍された方がいらっしゃったのですね。

 




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