こんにちは
大河ドラマ『青天を衝け』。
第9回では、井伊直弼が桜田門外の変で殺され、徳川斉昭も亡くなってしまいます。
血洗島では、まだまだ千代と結婚したばかりの新婚の栄一が、江戸に行きたいと父の市郎右衛門に頼み込みます。
次回、第10回は、『栄一、志士になる』。いよいよ栄一が江戸に行きます。そして、その頃、公武合体として、徳川家茂と和宮の結婚がなされようとしていたのです。
本日は、第14代になった徳川家茂について書きたいと思います。
徳川家茂は、どんな人?
第13代将軍の徳川家定に子供がいないため、次期将軍の後継者争いが言われていましたが、第14代将軍は、紀州藩の徳川慶福(よしとみ)になりました。慶福は、その後、家茂(いえもち)と改名します。
幕末の動乱期の将軍ではありますが、そうは言っても、少し地味なイメージのある将軍、徳川家茂とは、どんな方だったのでしょうか。
🔵第8回より登場
<#青天を衝け 登場人物>
将軍継嗣問題における徳川慶喜の対立候補。大老・井伊直弼の計略によって、若くして将軍の座についた。公武合体のため皇女・和宮と結婚。やがて将軍後見職に付いた慶喜に支えられるが、自身の無力さを嘆き、発奮する。 pic.twitter.com/7THgBVwWor
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) April 3, 2021
まずは、そのプロフィールをみていきたいと思います。
徳川家茂は、弘化3(1846)年生まれ。大河ドラマ『青天を衝け』の主人公である渋沢栄一が1840年生まれなので、渋沢栄一よりも6歳年下になります。おっと、初めて、栄一よりも年下の歴史上の重要人物が出てきましたね。
徳川家茂が第14代将軍になったのは、1858年です。第13代徳川家定が亡くなったことにより就任しました。その時、まだ、わずか12歳でした。
そして、亡くなったのが慶応2(1866)年です。満20歳で亡くなっています。
歴史上でも有名な和宮との結婚、いわゆる公武合体は、文久2(1862)年なので、徳川家茂が16歳の時ですね。
和宮は、その時、すでに有栖川宮 熾仁親王(ありすがわのみや たるひとしんのう)という婚約者がいました。その有栖川宮と婚約を破棄して、家茂に降嫁することになるのです。(ちなみにその有栖川宮は、徳川慶喜の妹の徳川貞子と明治維新後に結婚するそうです。色々、人間関係がややこしいですね)
ドラマの中でも、和宮は江戸に行くことをめちゃくちゃ嫌がっていましたよね。確かに皇室出身で、武家の世界に行くのなんて、嫌ですよね、不安で仕方がなかったと思います。
ただ、和宮は、徳川家茂を見て、気に入ったようです。家茂は、きっと、若くて、優しい将軍だったのでしょうね。第9回の『栄一と桜田門外の変』の回で、周りから恨まれていた井伊直弼のことを気遣って、少し大老を離れてみてはどうかと、労うような優しい言葉をかけています。
徳川家茂の死因は? 脚気? 虫歯? 甘いもの好き
慶応2(1866)年、徳川家茂は、第二次長州征伐へ出陣の最中、大阪城で倒れます。なんと20歳と言う若さで亡くなってしまいます。
死因は、「脚気」(かっけ)と言われています。脚気とは、ビタミンB1の欠乏によって、心不全を引き起こす病気です。心不全によって、足が痺れたりするので、脚気と呼ばれています。
前の将軍の徳川家定がお菓子作りが趣味というのは、有名ですが、この家茂も甘いものが大好きな将軍だったということです。しかも家茂は、虫歯になりやすい体質だったというのです。エナメル質が薄く、なんとその後、頭蓋骨を調べたところ、31本の歯のうち、30本が虫歯だったということです。
つまり甘いものが原因で、虫歯になり、ビタミンB1の欠乏にも繋がって、脚気で亡くなったということなんです。当時は、脚気の効果的な治療法もわからない時代だったので、恐ろしい病気だったのでしょうね。また、現代のように歯医者さんで、先進的な治療が受けられるわけではないですからね。
元々の甘党に加えて、やはり、動乱の時代の多忙やストレスでの甘い物の食べ過ぎもあったのでしょうか。大河ドラマ『青天を衝け』の中でも自身のことを若輩者としていますが、まだまだ若いのにも関わらず、その人物像を勝海舟が高く評価しています。亡くなった時は、勝海舟も大変、残念がったそうです。また、家臣たちからも、将来をかなり期待されていたそうです。
『青天を衝け』で徳川家茂を演じるのは、磯村勇斗さん
さて、この徳川家茂を演じるのが、磯村勇斗さんです。
磯村勇斗さんと言うと、『仮面ライダーゴースト』アランで有名な俳優さんですね。
大河ドラマが好きな方の中には、NHKファンや朝ドラファンの方も多いと思うので、『ひよっこ』に出演されているイメージが強いかもしれません。
『ひよっこ』では、ヒロイン有村架純さんと結婚する、誠実で優しい青年の役でしたね。
いやあ、正直、生活様式も違う、京都からは、いやいや遠く離れた江戸に嫁いでも、磯村勇斗さんみたいな家茂だったら、「まあ、いいかも」って、和宮も思っちゃいますよね。そんな徳川家茂ですが、今までにどんな俳優さんが演じられたのでしょうか?
歴代の大河ドラマで、徳川家茂を演じた俳優は?
徳川慶喜と比べると、少し地味なイメージのある徳川家茂なのですが、大河ドラマの登場回数は、9回です。『勝海舟』、『花神』、『翔ぶが如く』、『徳川慶喜』、『篤姫』、『龍馬伝』、『八重の桜』、『西郷どん』、『青天を衝け』と、かなり登場回数が多いですね。やはり幕末の動乱期なので、外せない重要な役柄ですよね。
私は、『篤姫』で松田翔太さんが演じた徳川家茂が印象に残っています。爽やかで、優しく、高貴なイメージだった記憶があります。この時の和宮が堀北真希さん、篤姫が宮崎あおいさんでした。
あれれ? 松田翔太さんが徳川家茂? と、大河ドラマ好きな方は、ピンと来られるでしょう。
そう、松田翔太さんは、『西郷どん』(せごどん)では、第15代将軍の徳川慶喜を演じられているんですよね。14代と15代の両方を演じられた松田翔太さん。大河ドラマは、時々、こういう「あ、あの時、この人は、こっちの役だったんだ」みたいなことがあって、面白いですよね。
ちなみに以前、『一路』というNHKのBS時代劇での徳川家茂は、吉沢亮さんが演じられていたそうです。つまり渋沢栄一が演じる徳川家茂と言うのでしょうか。めちゃくちゃ気になりますよね。こちらのドラマは、見たことがないので、ぜひ見てみたいものです。
家茂の正室、皇女和宮は、どんな人? 篤姫との関係は? 静寛院宮に。
徳川家茂の妻である和宮のことも見ていきましょう。
🔵第9回より登場
<#青天を衝け 登場人物>
孝明天皇の妹宮。幼いころより許婚がいたにもかかわらず、幕府が目指す公武合体の象徴として、将軍・家茂との縁組みが浮上。固辞するもかなわず、泣く泣く降嫁した。しかし家茂の誠実な人柄に触れ、次第に心を開いていく。 pic.twitter.com/p2fGrB2VJ0
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和宮は、弘化3(1846)年生まれ。なんと、家茂と同い年なんですね。育った環境は、まるで違いますが、年が同じとなると、話も合いやすいのかもしれません。
そんな和宮を演じるのは、乃木坂46の元メンバーでもある深川麻衣さん。大河ドラマでは、『花燃ゆ』に出演されたことがあります。その時は、奥女中役ということで、役名は、なかったんですが、朝ドラ『まんぷく』では、主人公の姪の香田吉乃という主人公たちとも絡みの多い役でした。
そんな大河や朝ドラ経験のある深川麻衣さんの和宮。第8回で、江戸に行くのを嫌がるシーンは、本当に気持ちが伝わってくる見事な演技でした。
家茂の死後は、落飾(出家)し、静寛院宮と名乗ります。
徳川家茂と和宮のお墓は増上寺 写真とは?
徳川家茂が亡くなったのは、20歳という若さでしたが、和宮もまた明治10(1877)年に31歳の若さで亡くなっています。江戸に来る前は、あんなに嫌がっていた和宮ですが、本人の遺言で、「家茂の側で眠りたい」との意志を尊重して、家茂と同じ増上寺に祀られています。徳川家茂と和宮の結婚生活は、たったの4年間だったということですが、本当に、家茂と和宮は、仲睦まじかったのですね。
そして、この墓地が改装された時に、和宮の墓から写真が出てきたということなのです。写真と言っても、後の時代のフィルム写真のようなものではなく、湿板写真という一枚のガラス板のようなもので、翌日、調査しようと取り出していたら、日光に当たったため、消えてしまったそうなのです。復元は難しいのでしょうね。
写真に映った男性は、「長袴の直垂に烏帽子姿の若者」ということですが、注目されているのは、この写真に映っている男性が誰なのかということ!おそらく、夫である徳川家茂だと言われていますが、いやいや元の婚約者の有栖川宮ではないか、とか、義兄の孝明天皇ではないかという説もあるようです。
でも、今更、有栖川宮ということは、ないんじゃないか、あれだけ仲睦まじかったのだから、徳川家茂なんじゃないかなあ、と私は思います。
徳川家茂・和宮が出てくる小説 替え玉説とは?
大河ドラマで気になった登場人物のことをもっと深く知りたいと思うことはありませんか?
和宮が描かれた小説で有名なのは、やはり有吉佐和子の『和宮様御留』が有名ですね。少し古い作品になりますが、ドラマ化もされたことがある有名な小説です。
こちらの作品は、「和宮替え玉説」を描いた作品です。篤姫を扱った作品は、比較的多いと思いますが、和宮のことが描かれている作品は、あまりないと思うので、今回、家茂や和宮に興味を持たれた人は、ぜひ、おすすめです。
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