大老 井伊直弼とは? 安政の大獄、桜田門外の変で暗殺、子孫は? 大河ドラマ『青天を衝け』

こんにちは

大河ドラマ『青天を衝け』では、第8回では、渋沢栄一が幼馴染みの尾高千代と祝言をあげましたね。想い合う栄一と千代の爽やかなラブストーリー。やはり幼馴染みの渋沢喜作と、栄一との剣術勝負。栄一と喜作の二人の親友関係といい、血洗島パートのシーンは、心温まるエピソードが盛りだくさんでしたね。

そして、気になったのが、その頃の江戸での出来事。なんと、ドラマは、早くも「安政の大獄」。第13代将軍、徳川家定もドラマの終盤に亡くなってしまいます。

そして、次回の第9回のタイトルは『栄一と桜田門外の変』。

なんと、もう桜田門外の変です。大老、井伊直弼の暗殺という歴史上の大事件が起こります。

ちなみに2018年の大河ドラマ『西郷どん』では、第16回で「安政の大獄」が始まり、第20回で「桜田門外の変」が起こります。それから比べると、今回は、もう第9回で「桜田門外の変」が起こるので、物語の展開が早いですね。

雪の中で、暗殺されるシーンが今までのテレビドラマや映画でも有名な井伊直弼。

そんな井伊直弼とは、どんな人物だったのでしょうか?

井伊直弼とは、どんな人? 安政の大獄 桜田門外の変で暗殺

井伊直弼は、彦根藩の15代藩主、幕末に大老をつとめ、日米修好通商条約に調印して、日本の開国を断行した人物です。

『大老 井伊直弼』『日米修好通商条約』『安政の大獄』『桜田門外の変』という井伊直弼を取り巻くキーワードは、日本史の教科書にも出てきて、めちゃくちゃ有名ですよね。

井伊直弼が生まれたのは、1815年。渋沢栄一が生まれた1840年よりも、遡ること25年です。栄一よりも、世代が少し上の人物になりますね。そして、大河ドラマ『青天を衝け』でも、もちろん井伊直弼は、登場しますが、渋沢栄一との絡みはありません。

その井伊直弼ですが、生まれながらのスーパースターというわけではなく、彦根藩の第13代藩主の井伊直中(なおなか)の14男として生まれます。14男というと、長男からすると、ずいぶん下の方ですよね。

そして、前回の大河ドラマ紀行でも紹介されていましたが、井伊直弼は、17歳から32歳までの15年間を「埋木舎」(うもれぎのや)という邸宅に住んでいたのです。自分のことを「咲くことのない花」と例えて、埋木舎と名付けたと言われています。

「世の中を よそに見つつも埋もれ木の 埋もれておらむ心なき身は」

という和歌も残っています。

井伊直弼って、あんなに改革を断行していった人物なので、自信満々の自分大好き人間かと思ったら、そんなことはない、苦労人であったのですね。

そんな井伊直弼は、兄の死後、35歳の時に、彦根藩主になります。大老に就任したのは、43歳の時。大老として、歴史の表舞台で活躍するのは、桜田門外の変で暗殺されるまで、わずか2年間のことでした。




井伊直弼役は、岸谷五朗さん、過去に大河ドラマで演じた俳優は?

井伊直弼の歴代大河ドラマへの登場回数は、今までに8回。『花の生涯』『翔ぶが如く』『徳川慶喜』『篤姫』『八重の桜』『花燃ゆ』『西郷どん』『青天を衝け』の8作品になります。

過去には、杉良太郎さんや高橋英樹さんといった時代劇の大スターとしてもおなじみの方々や、最近では、佐野史郎さんのような個性的な俳優さんが演じられてきました。その時々で、ちょっと癖のある井伊直弼や、大きな権力者、絶対王者的な存在として立ちふさがる井伊直弼といったような、その時の大河ドラマの主人公の立ち位置からしても、描かれ方が違うのが面白いですね。

そんな中で、今回は、岸谷五朗さんが井伊直弼役を演じられています。私は、岸谷五朗さんは、どちらかといえば、悪役というよりは、善人が似合うイメージの役者さんのような気がしていたので、岸谷五朗さんの演じる井伊直弼がとても楽しみでした。

今回の岸谷五朗さん演じる井伊直弼は、自身も「ちゃかぽん」というあだ名で呼ばれ、コンプレックスを持っているというどこか悲哀を感じる役でした。

ちゃかぽんとは、茶道(ちゃ)、歌道(か)、能(ぽん)、から来ているとされています。

井伊直弼が、茶道や歌、能に造詣が深かったところから、これらに熱中しているということで、つけられたあだ名です。井伊直弼は、埋木舎で過ごした青春時代に、禅や国学、居合などの素養にも務めたのです。

あんな幕末の大物が「ちゃかぽん!」って、と驚かれた方も多いのではないでしょうか? そんな今までは、あまり描かれてなかった井伊直弼の人間味あふれる部分にもスポットライトを当てた今回の大河ドラマ『青天を衝け』。岸谷五朗さんのどこか憎めない、人間らしさ溢れる井伊直弼の魅力を表すエピソードでもありますね。

ドラマの中では、主君である第13代将軍徳川家定も、家定の父で、第12代将軍の徳川家慶が、徳川慶喜のことばかりを褒めて、自身(家定)のことを見てくれなかったことを悲しんでいるシーンがありました。

この徳川家定と井伊直弼の主従を繋いでいたのは、二人とも、家柄や身分に自分が見合わないかもしれないという、それぞれの劣等感だったのかもしれませんね。そこに共感して、二人は繋がりあったのかもしれません。井伊直弼は、徳川家定のことを愚直だとは思わずに、その中にある気持ちを引き出していったのですね。

また、井伊直弼は、徳川慶喜に対しては、慶喜の偉大さや、器の大きさ、自分には、ない部分などを認め、脱帽するというシーンも描かれています。

井伊直弼は、開国を断行したり、安政の大獄で、日米修好通商条約に反対する大名や志士らを弾圧するという、まさに幕末のダークヒーローとして描かれることが多いのですが、今回は、そんな井伊直弼の威圧的な部分だけではなく、どんな生い立ちを辿った上で、今、この井伊直弼がここにあるのか、また、徳川家定をどんな風に見ていたのか、徳川慶喜との関係はどうだったのか、一つのシーンを見るだけで、その人となり、バックボーンが現れる描き方であるような気がします。

桜田門外の変の前日には、自分のしていることは、後世ではわからないということを歌にしていたという記録もあるようですが、岸谷五朗さんは、「そんな井伊直弼をわかってあげられる一人になりたい」と思いながら演じているそうです。

岸谷五朗さんの井伊直弼は、第9回で大河ドラマ『青天を衝け』からは、退場してしまいますが、岸谷五朗さんが演じた、「今までとは少し違う描かれ方をした井伊直弼」のことは、皆さんの印象に残るのではないでしょうか。




井伊直弼の子孫・先祖は?

井伊直弼が桜田門外の変で亡くなった後、井伊家はどうなったかというと、新政府軍側につき、明治では、伯爵家になります。えっ? 新政府側に? と驚きますが、いや、水戸から徳川慶喜が将軍になったことを考えると、それも納得できるような気もします。

ちなみに、井伊直弼の子孫は、曾孫にあたる井伊直愛(いいなおよし)氏が彦根市長を務められています。

では、先祖はというと、徳川四天王である井伊直政、そして、その養母である井伊直虎が思い浮かびますね。井伊直虎といえば、大河ドラマ『おんな城主 直虎』の主人公ですね。

そして、井伊と言えば、「井伊の赤備え」が思い浮かびます。

ちなみに、ゆるキャラで有名なひこにゃんが被っている兜もそうなんです。ひこにゃんは、彦根藩の井伊家の第二代藩主の井伊直孝(井伊直政の次男)を雷から救ったという話から元に作られています。赤い兜は、決して、ひこにゃんによく似合って、かわいいから被っているというわけではないのですね。

大河ドラマ『青天を衝け』で、井伊直弼を観られるのは、第9回までとなりましたが、今回の人間味があふれる井伊直弼をもう少し観てみたいですね。




コメント

タイトルとURLをコピーしました