尾高長七郎の死因・最期は? 渋沢栄一のいとこ キャストは? 大河ドラマ『青天を衝け』

NHK大河ドラマ『青天を衝け』。

渋沢栄一たちも京都に行き、どんどん幕末の志士たちが登場しますが、血洗島村の仲間や家族たちのことも気になるのではないでしょうか。

今回は、渋沢栄一のいとこでもある尾高長七郎について、書きたいと思います。

 

尾高長七郎は、どんな人?

尾高長七郎は、武蔵国樺沢軍下手計村(しもてばかむら)(現在の埼玉県深谷市)にて生まれます。

天保7(1836)年生まれなので、渋沢栄一の4歳年上のいとこ、ということになりますね。

栄一にとっては、少し年上の憧れの存在です。

尾高勝五郎の次男として生まれた尾高長七郎。母は、尾高やへ。兄は、尾高惇忠、妹が尾高千代、弟が尾高平九郎です。その他にも姉に、「みち」と「こう」。妹に「くに」がいたようです。

大河ドラマ『青天を衝け』では、母の尾高やへを手塚理美さん、兄の尾高惇忠を田辺誠一さん、千代が橋本愛さん、尾高平九郎が岡田健史さんですね。

尾高長七郎の兄の尾高惇忠は、地元でも随一の秀才。惇忠と長七郎は、水戸学に傾倒していきます。

尾高家は、岡部藩主の安部氏のもとで、下手計村の里正(庄屋や村長などのこと)をつとめて、名字帯刀を許されていた家柄です。

ちなみに大河ドラマ『青天を衝け』では、藍農家である渋沢家の人間は、藍染め風の処理を施した着物で、文武両道の尾高家の人間は、渋沢家と区別をつけるため、茶色をテーマカラーにしているそうです。

尾高長七郎は、神道無念流の剣豪です。子供の頃から、文武両道ではありましたが、その中でも剣術には、特に才能があったそうです。

叔父である渋沢宗助(大河ドラマ『青天を衝け』では、演・平泉成さん)が開いた神道無念流の道場『錬武館』に入門し、尾高惇忠、渋沢栄一、渋沢喜作とともに、稽古に励みます。

渋沢家の家系図を見ると、渋沢宗助は、渋沢家の中でも最も財を成した「東の家」の当主です。渋沢宗助は、尾高惇忠の聡明さを高く買っているのですが、彼らの攘夷熱には、頭を悩ますことが多かったようです。




江戸での遊学 坂下門外の変

兄の尾高惇忠が、長男のため、家業を守らなくてはならず、兄に代わって、長七郎が江戸に遊学することになります。

江戸では、尊王攘夷を唱える大橋訥庵や海保漁村のもとで、学び、千葉道場で剣の腕を磨きます。

長七郎は、江戸での遊学時代に、長州藩の久坂玄瑞、水戸藩の原市之進、出羽国の清河八郎、薩摩藩や佐賀藩の志士といった尊王攘夷を志す志士たちと交流を深めたようです。清河八郎は、大河ドラマでは、『新選組!』に登場したことがありますね。

長男として、家業を継ぎ、家から離れられない兄の尾高惇忠が長七郎に、自らの思いを託していたんでしょうね。

そんな尾高長七郎でしたが、文久元(1861)年、水戸藩士らによる坂下門外の変で老中・安藤信正の暗殺未遂事件が起こります。桜田門外の変から、二年後のことでした。

元々は、長七郎もこの坂下門外での安藤殺害計画に加わるつもりだったのですが、惇忠らに止められます。

ただ、坂下門外の変での安藤暗殺の失敗により、幕府は、計画に加わった志士たちを探して捕縛しているという知らせが伝わります。

幕府から追われているかもしれないと思った長七郎ですが、これがのちに悲劇を生むことになります。

また、渋沢栄一や渋沢喜作、尾高惇忠らよりも、早くから、江戸に出て、世の中の情勢がわかっていた尾高長七郎は、『高崎城乗っ取り計画』『横浜焼き討ち計画』を企てていた渋沢栄一たちを説得して、やめさせます。その後の渋沢栄一たちがあるのは、この尾高長七郎のおかげでもあると言えるでしょう。




尾高長七郎の最期は? 死因は? お墓は?

尾高長七郎は、文久4(1864)年に、通行人を斬り殺してしまったために、幕吏に捕らえられてしまいます。大河ドラマ『青天を衝け』の中では、戸田ヶ原で、宿を探している際に、キツネの幻覚を見て、誤って、飛脚を殺してしまうシーンが描かれていました。

これは、尾高長七郎が坂下門外の変に関与していたことから、幕府からの追っ手と勘違いして、誤って殺してしまったらしいのです。板橋宿で捕らえられてしまいます。

尾高長七郎は、伝馬町の牢屋敷に、収監されます。

元号が明治変わった明治元(1868)年の夏にやっと出獄したのです。長い牢獄生活で、身も心も病んでしまったのか、最後は、別人のようになってしまっていたと言います。

そして、明治元年の11月に故郷にて、病没します。32歳という短い生涯でした。

尾高長七郎の墓は、深谷市下手計の尾高家墓域(丸山堂)にあります。

NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』に満島真之介さんが出演された時に、尾高惇忠・長七郎の生家を見つけた後、尾高惇忠や長七郎の墓に手を合わせておられました。

『青天を衝け』の中でも、栄一や喜作よりも一足先に江戸に出て、優秀だった長七郎。栄一たちが『横浜焼き討ち計画』を立てた時は、説得して、辞めさせた渋沢栄一の恩人と言ってもいいかもしれません。

明治元年に亡くなった長七郎。もしもそのまま、明治時代を生きていたら、どんな活躍をしたのかと思うと、残念です。

渋沢栄一だけではなく、尾高惇忠や渋沢喜作が功績を挙げていることから、尾高長七郎や、また尾高長七郎の弟である尾高平九郎の早い死が残念です。




尾高長七郎役は、満島真之介さん 子役のキャストは?

尾高長七郎は、「北武蔵の天狗」と噂されるほどの剣豪。映像を見ていても、満島真之介さんの立ち居振る舞いが素晴らしく、長七郎を主人公にして、スピンオフの時代劇が一本できるんじゃないかなと思うほど、板についていますよね。

そんな満島真之介さんは、同じくNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で「天狗俱楽部」の名物男・吉岡信敬を演じていたので、ご本人も「まさかの天狗つながり」と驚かれたそうです。

満島真之介さんは、沖縄県出身の1989年生まれ。平成元年ということで、満島さん自身もまた幕末の彼らのように新しい時代に変わろうとした時に生まれたのですね。お姉さんは、女優の満島ひかりさん、妹は、モデルの満島みなみさん、プロバスケットボール選手の満島光太郎さんと、きょうだいで、芸能界やスポーツ界で、活躍なさっています。

代表作にドラマ『恋愛時代』『ボク、運命の人です。』『白い巨塔』、映画『三度目の殺人』『キングダム』、舞台『おそるべき親たち』『お気に召すまま』など、その他にもたくさんの作品に出演されています。たくさん出演されているので、人によって、それぞれ思い浮かべるイメージが違う役者さんかもしれませんね。

そんな数々の作品に出演されている満島真之介さんですが、NHK大河ドラマのファンの方にとっては、NHKの朝ドラ、「梅ちゃん先生」でのドクター役が印象に残っているのではないでしょうか。コミカルな役から、真面目で熱い役までこなされる演技派の俳優さんですね。

ちなみに尾高長七郎の少年時代を演じたのは、子役の須東煌世(すとうこうせい)さんです。2009年生まれ。テレビCMや雑誌のモデルなどで、幅広く活躍しています。スキーやトランポリン、水泳が得意なスポーツ少年らしいです。聡明な外見で、まさに文武両道の長七郎の少年時代にぴったりですよね。今回の大河ドラマ『青天を衝け』がテレビドラマ初出演だとのこと。これからが楽しみな俳優さんですね。

 




コメント

タイトルとURLをコピーしました